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フェアトレードコーヒーとは?通常のコーヒーとの比較を徹底解説
公開日:2023年05月12日(更新日:2023年05月19日)
フェアトレードコーヒーと通常のコーヒーの違いを徹底解説します。この記事をお読みいただくことで環境や生産者への影響、品質、味わいなど、それぞれの違いが解り、私達が日常、当たり前のように飲むコーヒーについて、新たな視点と、新たな選択肢を持つことができるようになるでしょう。その上で、フェアトレードの取組みを通じて齊藤コーヒーが掲げています「心を満たす選択肢」について、お考えいただく機会になれば幸いです。
はじめに
コーヒーは世界中で愛されている飲み物ですが、生産地で栽培された豆がコーヒー飲料となって、私達が飲めるようになるまでの背後のストーリーや生産プロセスについては、多くの人が知らないことがあります。フェアトレードコーヒーと通常のコーヒーは、生産者への対価や労働条件、環境への配慮、品質など、さまざまな点で違いがあります。
この記事では、フェアトレードコーヒーと通常のコーヒーの違いに焦点を当て、コーヒーを味わうだけでなく、生産者の現状や、ひいては私達消費者が今後未来もコーヒーを飲み続けるために今私達にできることを知ることで、コーヒーを選ぶ際に、どちらのコーヒーが自分の価値観や好みに合っているのかを判断するために、知っておくべきポイントを解説します。
フェアトレードコーヒーとは?
フェアトレードの基本概念
まずはじめに、フェアトレードというとチャリティと混同されてしまいがちですが、内容は全く異なるものとなっています。フェアトレードとは、開発途上国の生産者や労働者に公正な対価を払い、良い労働条件を確保することに焦点を当てた取引方法です。環境に配慮し、持続可能な生産プロセスを推進することも重視されます。消費者はフェアトレード製品を購入することで、生産者や労働者の生活改善や地域社会の発展に貢献できます。この基本概念からもアプローチや範囲は違えど、フェアトレードがSDGsと互いに関連していることが解ります。 ※フェアトレードとSDGsの違いの詳細については、後日、別のトピックスで取扱う予定です。
生産者への利益や労働条件の改善
■生産者への適正な報酬の実現
フェアトレードは、コーヒー生産者に適正な価格を保証することを目指しています。これにより、生産者は安定した収入を得ることができ、生活水準を向上させることができます。
■労働条件の改善
フェアトレードは、農園で働く労働者に対して、安全で健康的な労働環境を提供することを求めています。また、児童労働や強制労働の禁止も重視されています。
通常のコーヒーとは?
通常のコーヒー取引の概要
一方、フェアトレードではない通常のコーヒーは、標準的な市場取引として主に世界市場での価格変動に左右される形で取引されます。具体的には、消費者ニーズに応えることが重視され、コーヒー価格は供給と需要、気象条件、政治的な要因などによって大きく変動します。生産コストを抑えるための効率性、価格競争力が求められます。生産者や環境への影響といった点でフェアトレードとは大きく異なります。
生産者への影響
■生産者への報酬が不安定
報酬は市場価格に大きく左右されるため、生産者の収入が不安定になることがあり、生活水準や教育への投資に影響を与える可能性が考えられます。
■労働条件の格差による影響
労働者の権利が十分に保護されていない場合、労働者は過労や低賃金、不適切な労働環境にさらされることが考えられます。
環境への影響
フェアトレードコーヒーの環境保護への取り組み
フェアトレードの基準では、環境にやさしい農業方法が推奨されており、農薬の使用が制限されたり、水資源の保護が求められたりしています。
通常のコーヒーと環境保護の比較
持続可能でない農業方法が用いられることがあり、これにより環境に悪影響を与えることがあります。例えば、過剰な農薬の使用や水資源の乱用が考えられます。
価格の違い
フェアトレードコーヒーと通常のコーヒーの価格差について
フェアトレードでは、通常のコーヒーと異なり適正価格の保証がされているだけでなく、通常の市場価格に加えて「プレミアム」という(追加の支払い)が生じます。このプレミアムは、コーヒーの品質を向上させるために、例えば農業技術の向上や肥料の購入、収穫後の処理方法の改善などに充てられたり、生産者が自分たちのコミュニティの維持や農園を改善するために使用されたりします。
そのため、一般的にフェアトレードコーヒーは、通常のコーヒーよりもやや高めに設定されています。ただし、価格差はブランドや品質、流通チャネルなどによって異なります。
品質と味わいの違い
両者の味わいの違い
フェアトレードコーヒーとフェアトレードではない通常のコーヒーの間に必ずしも前述の内容と一貫した違いがあるわけではありません。味は、コーヒー豆の種類や産地、栽培方法、収穫方法、焙煎の仕方など、さまざまな要素によって影響を受けます。また、個人の好みや味覚によって選ぶべきコーヒーは変わってくるでしょう。したがって価格が高いフェアトレードコーヒーが、必ずしも通常のコーヒーより美味しいとは限りません。
フェアトレードコーヒーの品質向上の取り組み
ただし、フェアトレードコーヒーは、フェアトレードを掲げる以上、持続可能な農業方法を採用している場合が多く、それによって品質の高いコーヒー豆が栽培されることに繋がると考えられます。また、フェアトレードの取り組みにより、生産者が安定した収入を得られるため、品質向上に投資しやすくなることがあります。
フェアトレードの基準により、プレミアムのうち少なくとも25%が品質向上のために使われることが求められています。これにより、フェアトレードコーヒーは品質面で競争力を高め、消費者に良質なコーヒーを提供することができます。
まとめ
両者で異なる選択のポイント
フェアトレードコーヒー | 通常のコーヒー | |
---|---|---|
基本的な考え方・基本概念 | 生産者の公正な待遇と持続可能性を重視。フェアトレードの認証基準(人や環境を守る基準を満たしたもの)に基づいて生産・取引される ※チャリティではな | 消費者のニーズを重視。主に世界市場での市場取引において生産・取引される。市場変動に左右され易く、効率性や価格競争力の追求が求められる |
生産者への報酬 | 価格保証により生産者は安定した収入を得る | 市場価格に大きく左右されるため、生産者の収入が不安定になる |
労働条件 | 安全で健康的な労働環境が提供され、児童労働や強制労働の禁止も重視 | 労働者は過労や低賃金、不適切な労働環境にさらされることが懸念 |
環境への影響 | 農薬の使用が制限や水資源の保護など、環境にやさしい農業方法が推奨 | 過剰な農薬の使用や水資源の乱用など、持続可能でない農業方法が用いられる懸念 |
価格 | 価格保証に加え、プレミアムの支払いがあるためやや高め | フェアトレードコーヒーよりは安価となる |
品質と味わい | 持続可能な農業方法や、プレミアム(25%は品質向上に使うことが求められる)によって品質の高いコーヒー豆が生産される傾向がある | コーヒー豆の種類や産地、栽培方法、収穫方法、焙煎の仕方など、様々な要素に拠るため、必ずしもフェアトレードと比較して品質が低く、味が劣るということではない |
社会貢献の度合い | 生産者や労働者の生活改善や地域社会の発展に貢献。続可能な生産プロセスを推進しておりSDGsへの貢献度も高い | 基本的に社会貢献という視点ではない |
以上、フェアトレードコーヒーと通常のコーヒーの違いについて、フェアトレードの基本概念から、環境や価格、品質などについて触れてきましたが、ひととおりの違いをご理解いただけたのではないでしょうか。私達が毎日手に取って飲んでいるコーヒーにも、このような違いがあり、今後、コーヒーを買う際の新たな選択肢にしていただければ当社としても本望です。
心を満たす選択肢のススメ
齊藤コーヒーでは、1990年代からキリマンジャロをはじめとした生産地に赴き、フェアトレードの活動を積み重ね、2011年にフェアトレードFLO認証を取得しました。現在は、フェアトレード認証マークを通じたフェアトレードの普及と市場の拡大をミッションとして取組んでいます。(齊藤コーヒーのフェアトレードミッションについて詳しくみる)
私達消費者にできることは、チャリティではなく支援という視点でフェアトレードコーヒーを選択することにより、フェアトレードコーヒーが少し高いから美味しいというだけでなく、その1杯によって生産者が安定した収入を得られ、持続可能な生産方法が実践されることで、コーヒー農家が次世代に渡って継続され、私たちの愛するコーヒーが身近な存在としてあり続けることができます。
フェアトレードコーヒーは、コーヒーを愉しみながら、社会貢献もできてしまうという素晴らしいコーヒーなのです。
【参考】
フェアトレードコーヒーやフェアトレード全般について、もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
特定非営利活動法人 フェアトレード・ラベル・ジャパン(https://www.fairtrade-jp.org/)
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