フェアトレードコーヒーの齊藤コーヒー株式会社

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左から齊藤様、山崎様

今回の「EZONO BLEND(エゾノブレンド)」はどのような経緯で製品化に至ったのでしょうか?

山崎さん:
もともと既存の業務用商品として、N43という名称のコーヒーを展開しており、弊社唯一のPB(プライベートブランド)商品でしたが、こちらが終売になるのをきっかけに、新たな自社ブランドとして企画が立ち上がりました。

齊藤さん:
北海道には、弊社拠点が7拠点ありまして、プロジェクトリーダーの齊藤を中心に、全道各支店の若手営業社員9名が開発に携わる横断型のプロジェクトとなりました。2022年の5月頃プロジェクトがスタートし、コロナ禍もあり、2週に1回ぐらいのペースでオンラインでミーティングを重ね、1年弱を要しましたが、2023年4月に商品として発売することができました。

エゾノブレンドという商品名はどのようにして決まったのでしょうか?

山崎さん:
やはり、サッポロウエシマコーヒーということで、北海道に根差したコンセプトのものを作りたいという思いがありました。北海道=「エゾ」というところから、最終的には5、6個の候補に絞りまして、「エゾノブレンド」という誰が聴いても北海道のブレンドと分かるような製品名に至りました。

コンセプトは、道民の声から誕生した「EZONO BLEND」として「高品質でサステナビリティを重視した苦みが特徴の北海道限定ブレンド」となっています。

商品の開発工程でこだわった点などがあれば教えてください。

山崎さん:
今回の製品企画では、3つのこだわりのポイントを設けていまして、まずは、北海道ならではのコーヒーということ、つぎに札幌市がフェアトレードタウンに当たるので、フェアトレード認証のコーヒーを使ってフェアトレードマークをパッケージに表記すること、そして、新鮮なうちに使い切っていただきたいという思いから、通常の業務用の500g規格ではなく一回り小さい規格の200g規格を用いるということ。以上、3つのこだわりポイントがセールスポイントとなっています。

まずは、市場がどうなっているのかや、自社のコーヒーでどんなものが売れていて、どんなものが人気なのか等、色々な分析を踏まえて製品化に向けて動きました。特に北海道ならではのコーヒーを実現することについては、時間をかけてきました。メンバー間の共通認識では、北海道民の人は深煎りのコーヒーが好まれるというざっくりとしたイメージがあったのですが、実際にどうなのかということを実証するために、道内で有名な自家焙煎の店舗をメンバーのみんなに回ってもらい、店舗ごとのオリジナルブレンドを買ってきて、味覚を数値化するなど徹底した分析を行い、他店のブレンドとの差別化を試みました。

また、道民の声から誕生した商品というコンセプトがありましたので、展示会で来訪者の方々に試飲をしていただき、アンケートの投票結果でお声が多かったものを販売することになりました。当初は、3種類の中から1種類を決定する予定でしたが、上位2種が均衡した結果となりましたので、ストロングとマイルドという2種を販売することになりました。まさに道民の声を反映するというコンセプトに基づいた商品開発になったと思っております。

苦労した点などはありましたか?

山崎さん:
北海道らしいコーヒーが作りたいという目的がある中で、製造工場は北海道になく、原料も北海道にはありませんので、どうやって北海道らしいコーヒーを作ろうかという点には、当初、悩まされました。こだわりの部分でも述べましたが、どんなコーヒーが好まれて飲まれてるのかや、なぜ北海道でコーヒーが飲まれるようになったのかなど、北海道とコーヒーの関わりや歴史を調べたり、地道にお客様からの声を集めるといった点では苦労はありましたが、その甲斐もあり、製品としては自信を持って世に出せるものになったと思っています。

齊藤さん:
1年弱という期間をかけてようやく商品化することができたんですが、私は普段は営業をしているので、初めて商品開発に携わって作る側に回ったことで、開発側の思いを伝えることの難しさを実感しました。「EZONO BLEND」の味のこだわりや、フェアトレード認証商品であることについても、まずは社内の営業にセールスポイントをしっかり展開しないことには、その先のお客さまには響かないので、自分たちで商品を作るということは、作るだけで終わりではないということを実感し、とても良い経験になりました。


製品化を齊藤コーヒーに頼んでみていかがでしたか?

齊藤さん:
フェアトレード認証マークを付けたオリジナルのドリップバッグコーヒーを小ロットでできるということを知らなかったので、初めての発見でした。これからお客さんからもそういったご要望の声が出てくると思いますので、私の方からも提案をしてみようと思えるようになり、私どもの営業の幅だったり、知識が増えましたので、とても良かったなと思います。

山崎さん:
今回、齊藤コーヒーさんにも色々とご協力をいただけたので、スムーズに進められたかなと思っています。なにしろ、私も含めメンバー全員が製品開発に携わったことがないので、知識がなくても「こんな風にしたい!」というイメージさえあれば、サポートをいただいて形にできてしまうのですね。それと、展示会を迎えるにあたって、フェアトレードに関しての知識などを身につける必要があったのですが、その辺りも齊藤コーヒーさんがスライド等を使ってレクチャーや勉強会をしてくださり、フェアトレードの意義や優位性などをきちんと理解させていただけたことは、大変有り難かったです。

今後はどんな商品を作ってみたいですか?

山崎さん:
今回は2種類のコーヒー製品が発売になり、まずはその2種類の「EZONO BLEND」を育てながら、今後は観光向けのアイテムなどの企画も進めたり、アイスコーヒー用のコーヒー豆を開発したり、アイテム数を増やしていきたいと考えています。

まずはフェアトレードコーヒーを導入いただいた経緯などをお聴かせください。

  
左から藤本様、吉田様

>吉田さん:
「Farm&」は、もともと名古屋テレビ塔に誕生した「THE TOWER HOTEL NAGOYA」というロケーションの階のカフェという位置づけで、「ART × CRAFT × LOCAL」というコンセプトにもありますように、地元のアーティストさんアート作品を客室にあしらったり、地域の「人」「物」「事」に光をあて、地元の生産者様の食材を活用したりということで2020年にスタートをしておりまして、当初、UCCさんに相談をさせていただいたところ、齊藤コーヒーさんをご紹介いただきました。

名古屋市がフェアトレードタウンであるということと、名古屋で特にフェアトレードに力を入れていらっしゃるのが齊藤コーヒーさんということで、スムーズに話が纏まりました。

フェアトレードコーヒーを導入いただいてからお客様の反応はいかがでしょうか?

吉田さん:
正直なところ、実感としてフェアトレードっていうキーワードに引っかかっているというのは、まだ少ないですね。フェアトレードであるか否かということよりも、実際に飲んでいただいたお客様から「コーヒーにすごいこだわっているんだね」といった声をいただくことで、反響を実感しています。

僕自身が主にメニューの開発も携わっていまして、自ら東京まで足を運んで試飲を重ねて、かなりこだわまして、最終的にはコンセプトのまんまこのコーヒーができたと思っています。

店舗やスタッフの皆さまに変化みたいなものはありましたか?

吉田さん:
僕自身は、一度、齊藤コーヒーさんの工場見学に行った際に、一粒の豆の大切さっていうのを改めて感じさせてもらいましたし、工場内の袋の積み方からもそういうことが伝わってきました。僕もずっと飲食やってるので、フェアトレードにも通じますが、地元の食材を扱わせていただく立場で、もっと食材の裏にあるバックグランドみたいなものをお客様に伝えないといけないと感じました。

藤本さん:
私は工場見学のときに、齊藤コーヒーさんで焙煎されてる方から直接話をお聴きして、皆さんコーヒーが本当好きなんだなということが、楽しそうに伝えてくださってる姿がすごい印象的で、こういう思いをお店で伝えていかなきゃいけないなってすごく感じました。

貴重な機会を与えていただいたおかげで、今は、コーヒープロフェッショナルの資格を取ろうとしています。

齊藤コーヒーに対するご要望などがあればお聴かせください。

吉田さん:
齊藤コーヒーさんは、フェアトレードタウンの名古屋市で活動をされていらっしゃって、僕たちも、このテレビ塔という地元のものを発信できるような拠点で活動をしていますので、もっと色々なコラボレーションやリンクができたらと思っています。

齊藤コーヒー山村:
我々も、ちょうどここからほど近いヒサヤオオドオリパークで、コーヒーサミット「世界フェアトレードデーなごや2022」などにも出展しておりまして、ぜひ、そういった場でも何かご一緒に取組みができればと考えております!

吉田さん:
また、まだまだフェアトレードの認知が高くないというところも課題だと思いますので、単にフェアトレードの知識を発信していくだけでなく、イベントなども活用して焙煎側(齊藤コーヒー)と最終消費者にお渡しする側(「Farm&」)とが一緒に取り組んでいくことが大事だと思います。

これからの展望などありましたらお聴かせください。

吉田さん:
会社全体としましても、食を扱っていますのでSDGsとの関係もさまざまありまして、今はフェアトレードのコーヒー関連商品1品につき10円の寄附を行うなど、フェアトレードが少しでも浸透していけばという試みを続けています。ファトレードは高いって認識がありますけど、そこを付加価値で補えるようなものに育てていきたいと考えています。

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